![]() |
![]() |
![]() ZETUEI FONTS/ 書体設計者 |
|
1996年より書体制作を始める。PCによるデバイス入力を現代の筆記用具と捉え、「筆記用具の変遷により文字は変化する」を実践、極めて自由奔放な書体設計を行う。その傍らそれら書体を使用したデザインワークの発表を通じて、独自書体の一般への浸透をめざす。 主な作品に「絶影語録」「紺紙金字鼎都地下網要綱図」「鼎國解字画報」「中央東東京鼎國図」など。 http://www.zetuei.com/にて一部書体を公開。 |
| » ZETUEI FONTS |
---書体制作を始めたきっかけは何ですか?
ZETUEI FONTS: 自分のデザインしたものに、使用すべき理想的なフォントが見つからなかったので、必要に迫られて制作したことが始まりです。今見返すと稚拙なデザインでしたが、当時のそれに対する満足度は異常に高かったのを憶えています。
日本語書体に着手したきっかけは、PCや携帯で文章を書く機会が多くなる中、久しぶりにペンで手紙を書いたとき驚くほど筆が進まなかったことです。漢字を忘れていたり、キー入力と手書きのスピードのギャップだったり。
今後ますます増えるであろう手で書くことを伴わない文章作成の流れの中で、失われてゆく個人的要素を含む手書き文字に代替になりうる自分自身の文字の必要性を強く考えました。それは手書きをそのままフォント化するようなものではなく、現代の筆記具であるPCによる書字を目的として、筆記具に相応しい形をもった自分自身の文字として制作を始めました。
---書体を作るときに大事にしていることは何ですか?
ZETUEI FONTS: 当然のことですが、単一の文字(例えばAとか)のデザインに愛着を持ってしまうと、途端に他の文字との調和が乱れ、フォントとして成り立たなくなってしまうところがあり、全ての文字を客観的な目をもって扱うか、全ての文字を公平に慈しむことが必要だと常々思っています。
また、書体に最終形はなく、常に未完であるということを念頭においています。どんなにデザインを修正し続けても、さまざまな文字組みを試し調整を繰り返したとしても、時間の経過や要求される結果により理想的で相応しい形や文字のバランスは変化し続けるもので、1つの結果に固定することはできないと思っています。完成ではなくそこに至る道筋までの制作を目標にしております。
---書体を使った作品を作るときに大事にしていることはありますか?
ZETUEI FONTS: フォントのデザインが至極難読というのがあって、文字としてのコミュニケーションを拒絶している感がありますが、それらを使用した作品に関してはフォント制作と違い、いかにして文字として認識させて、言葉や文字の意図や意味として伝えられるかを重視しています。
私がモチーフとして選ぶ素材は、誰もがどこででも目にする世間にありふれたものばかりです。「紺紙金字鼎都地下網要綱図」では東京の地下鉄路線図をモチーフとしていますが、路線図ということがわかることにより、そこに書かれた文字列が次々と明らかになる瞬間。最初模様のように見えていたものが、文字へと変貌する瞬間を共有できるものとして制作しいます。
---数年前の日本におけるインディーズフォントブームをどう捉えていましたか?
ZETUEI FONTS: フォントの制作という作業は地味で、自分で決めたルールのなかで四苦八苦し、完成という最終形のない苦役のようなものと思っております。それにもかかわらず、あれほど多くの人々が興味を持ち、一斉にフォントサイトを立ち上げていた時期は異様に思えました。
しかし、毎日のようにフォントが発表され、新しいフォントを発見できる喜びを楽しんでおりました。ブームというと弊害を指摘されることがよくありますが、それゆえのツールの拡充やノウハウの蓄積などメリットのほうが勝っていたと思います。
---東京TDCタイプデザイン賞受賞をどう捉えていらっしゃいますか?
ZETUEI FONTS: 将来のヘルベチカを目指すような書体としてのの機能性と美しさを追求した作品群の中から、他のどれよりも文字と書体としてのあり方を、真っ向から否定しているようにも感じられる私の書体に対して、タイプデザイン賞という書体として最高の栄誉を与えていただいたことは、私自身が一番驚いています。
このフォントは篆書のような考え方で、ロゴのように使用された角字などに近い字体を持っています。それゆえ、書体の新しさや個々の字の美しさを評価されたというより、日本語書体という果てしない労力を必要とされる制作分野において、否定的な意見を恐れずに我を通すスタンスと、それら書体を最も的確に伝えうる方法を示すことができたからではないかと思っております。機械的な書体一覧のような体裁では、このフォントを印象的に映す事はできなかったと思います。
---影響を受けたデザイナー/アーティストはいますか?
ZETUEI FONTS: 文字に関するデザインにおいて、影響をうけた方はあまりに膨大で全てを挙げさせていただくことはできませんが、ミヤヂマタカフミさんのデザインしたフォントを初めて見たとき、フォントはこんなにも自由であり、楽しませてくれるものなのかと感動しました。
---これからの若手クリエイターに一言お願いします。
ZETUEI FONTS: 私が常々思っていることは、自分だけの言葉を持つということです。誰かに代弁してもらうのではなく、誰かの借り物でもない。世の中にその手段は人それぞれだと思いますが、私は書体という手段を選びました。
自分に相応しい、世の中の流れを敏感に感じ取ったり、新しい技術や未開の分野を切り開く行為も大切だと思いますが、私が先ず必要だと思うことは自分の言葉を持つということです。自分の意思ありのままを伝える手段としての言葉です。私の場合はそれが文字であり書体制作という手段でした。誰かの借り物でもない、自分に最も相応しい手段としての「言葉」を見つけることが全ての開始点だと思っています。
ZETUEI FONTS: 自分のデザインしたものに、使用すべき理想的なフォントが見つからなかったので、必要に迫られて制作したことが始まりです。今見返すと稚拙なデザインでしたが、当時のそれに対する満足度は異常に高かったのを憶えています。
日本語書体に着手したきっかけは、PCや携帯で文章を書く機会が多くなる中、久しぶりにペンで手紙を書いたとき驚くほど筆が進まなかったことです。漢字を忘れていたり、キー入力と手書きのスピードのギャップだったり。
今後ますます増えるであろう手で書くことを伴わない文章作成の流れの中で、失われてゆく個人的要素を含む手書き文字に代替になりうる自分自身の文字の必要性を強く考えました。それは手書きをそのままフォント化するようなものではなく、現代の筆記具であるPCによる書字を目的として、筆記具に相応しい形をもった自分自身の文字として制作を始めました。
---書体を作るときに大事にしていることは何ですか?
ZETUEI FONTS: 当然のことですが、単一の文字(例えばAとか)のデザインに愛着を持ってしまうと、途端に他の文字との調和が乱れ、フォントとして成り立たなくなってしまうところがあり、全ての文字を客観的な目をもって扱うか、全ての文字を公平に慈しむことが必要だと常々思っています。
また、書体に最終形はなく、常に未完であるということを念頭においています。どんなにデザインを修正し続けても、さまざまな文字組みを試し調整を繰り返したとしても、時間の経過や要求される結果により理想的で相応しい形や文字のバランスは変化し続けるもので、1つの結果に固定することはできないと思っています。完成ではなくそこに至る道筋までの制作を目標にしております。
---書体を使った作品を作るときに大事にしていることはありますか?
ZETUEI FONTS: フォントのデザインが至極難読というのがあって、文字としてのコミュニケーションを拒絶している感がありますが、それらを使用した作品に関してはフォント制作と違い、いかにして文字として認識させて、言葉や文字の意図や意味として伝えられるかを重視しています。
私がモチーフとして選ぶ素材は、誰もがどこででも目にする世間にありふれたものばかりです。「紺紙金字鼎都地下網要綱図」では東京の地下鉄路線図をモチーフとしていますが、路線図ということがわかることにより、そこに書かれた文字列が次々と明らかになる瞬間。最初模様のように見えていたものが、文字へと変貌する瞬間を共有できるものとして制作しいます。
---数年前の日本におけるインディーズフォントブームをどう捉えていましたか?
ZETUEI FONTS: フォントの制作という作業は地味で、自分で決めたルールのなかで四苦八苦し、完成という最終形のない苦役のようなものと思っております。それにもかかわらず、あれほど多くの人々が興味を持ち、一斉にフォントサイトを立ち上げていた時期は異様に思えました。
しかし、毎日のようにフォントが発表され、新しいフォントを発見できる喜びを楽しんでおりました。ブームというと弊害を指摘されることがよくありますが、それゆえのツールの拡充やノウハウの蓄積などメリットのほうが勝っていたと思います。
---東京TDCタイプデザイン賞受賞をどう捉えていらっしゃいますか?
ZETUEI FONTS: 将来のヘルベチカを目指すような書体としてのの機能性と美しさを追求した作品群の中から、他のどれよりも文字と書体としてのあり方を、真っ向から否定しているようにも感じられる私の書体に対して、タイプデザイン賞という書体として最高の栄誉を与えていただいたことは、私自身が一番驚いています。
このフォントは篆書のような考え方で、ロゴのように使用された角字などに近い字体を持っています。それゆえ、書体の新しさや個々の字の美しさを評価されたというより、日本語書体という果てしない労力を必要とされる制作分野において、否定的な意見を恐れずに我を通すスタンスと、それら書体を最も的確に伝えうる方法を示すことができたからではないかと思っております。機械的な書体一覧のような体裁では、このフォントを印象的に映す事はできなかったと思います。
---影響を受けたデザイナー/アーティストはいますか?
ZETUEI FONTS: 文字に関するデザインにおいて、影響をうけた方はあまりに膨大で全てを挙げさせていただくことはできませんが、ミヤヂマタカフミさんのデザインしたフォントを初めて見たとき、フォントはこんなにも自由であり、楽しませてくれるものなのかと感動しました。
---これからの若手クリエイターに一言お願いします。
ZETUEI FONTS: 私が常々思っていることは、自分だけの言葉を持つということです。誰かに代弁してもらうのではなく、誰かの借り物でもない。世の中にその手段は人それぞれだと思いますが、私は書体という手段を選びました。
自分に相応しい、世の中の流れを敏感に感じ取ったり、新しい技術や未開の分野を切り開く行為も大切だと思いますが、私が先ず必要だと思うことは自分の言葉を持つということです。自分の意思ありのままを伝える手段としての言葉です。私の場合はそれが文字であり書体制作という手段でした。誰かの借り物でもない、自分に最も相応しい手段としての「言葉」を見つけることが全ての開始点だと思っています。


